早速ですが、住宅を建てる際、設計士に設計してもらうのであれば、設計士と信頼関係のある工務店に注文することを強くおすすめします!
なぜなら、設計士に設計図を描いてもらっても、実際に住宅を建てるのは工務店です。設計図だけでは表現しきれない細かなことや、感覚的なことは、設計図を作る設計士と、住宅を建てる工務店の密なコミュニケーションや信頼関係が非常に重要だからです。
コラム第4回目の今回は、神村工務店が100%の信頼を寄せる設計士、KUMA design studioの代表・熊谷太郎さんへのインタビューをお届けします。
【熊谷太郎(くまがい・たろう)】
神奈川大学建築学科卒業。卒業設計にて、古い商店街の歴史を残しながら時代と共に進化してゆく設計で最優秀賞を受賞。卒業後、在学中に学んだ教授の室伏次郎氏の事務所スタッフとして約7年の修行を経て独立。現在34歳の若手設計士として活躍中。
――今日は改めていつもお世話になってる熊ちゃんにいろいろな話を聞かせてもらおうと思うので、よろしくお願いします。まず、設計士になろうと思ったきっかけから聞かせてください。
熊谷さん(以下K) : はい、よろしくお願いします。僕が設計士になろうと思ったのは高校時代、必死に勉強してた頃・・・・・・といっても成績は中の中でしたが(笑)、そんな中でふと、「なんでこんなに一生懸命勉強しているんだろうか」と思い、自分が何のために勉強するのか、将来何をしたいのか、という自分の疑問を解決しようと思ったことが始まりです。
図書館に行き、いろいろな本を読んで、様々な職種を知る中で、設計という仕事に出会いました。その頃、法隆寺宝物殿(谷口吉生氏設計)の実物を見てめちゃくちゃキレイで、衝撃を受けたことも1つのきっかけです。
――へえー!
自分がやりたいと思ったことを、今ちゃんと仕事にすることができていて素晴らしいですね。その道を進む中で迷ったこととかはなかったんですか?
K : もちろんありました。大学在学中に一度いろいろと悩んで、建築から離れた時期がありました。
でもその時にまた、なぜ自分はこの大学に入ったのか、将来どうなりたいのかと自分の原点を探求し、本を読んだり、有名建築を見たり、同時に人との別れや新しい出会いがあったりして、やっぱり設計がやりたいという強い気持ちを持つことができました。ま、そんなことをしてたので大学に5年行ってしまったんですけどね(笑)
でも、それも今となっては自分にとってとても大切な期間だったと思います。
――なるほど、ありがとうございます。そんな熊ちゃんが独立して今に至るまで、いろいろあったとは思いますが、順調に仕事ができているのは、何故だと思いますか?
K : 人との繋がりに恵まれてるんだと思います。それが何故かと聞かれたら、自分では無意識な部分なので分からないですが、僕が平和主義だからかなぁ・・・・・・。
どの業界も同じかと思いますが、設計士はとても拘りやプライドの高い人が多いです。もちろん拘りは、とても大切なことだし、持っていなくてはならないものとは思うのですが、僕はそれを持ちつつもどんな時も柔軟でありたい。自分の我を押しつけず、お互いの調和を大切にしたいと思っています。
それと、親からの教えですね。人の欠点ばかりを見るな、と常々言われて育ちました。なので、偏った視点や思い込みや決めつけをせず、相手の全体を捉えて人を見るということを意識しています。
――ありがとうございます。とても大切なことを教えてくれた素敵なご両親ですね。意識していないと、この人はこういう人だって無意識に偏った視点でしか見れなくなってしまうことありますよね。ちなみに熊ちゃんは設計以外で何か趣味とかってあるんですか?
K : それがないんですよね(笑)
今、JC(一般社団法人横浜青年会議所)などの新しい場に行き、様々な人と出会う中で探し中です。
――そんな新しい場で得られるものは何ですか?
K : 個人事務所や個人での経験しかない自分にとって、組織での物事の動かし方、常識を体験で知ることができます。一人でいても出会えなかったであろう多様な職種、背景を持った方々との出会いと経験が、自分の成長に繋がっていくのだということを感じています。
――人との関わりをとても大切にしているんですね。
K : そうですね、仕事をする中でも人柄はとても自分の中で重要視しています。神村工務店さんとの関わりのように、一緒に仕事をしていて楽しいと心から思える人とやっていきたいです。どんなに仕事ができる人だとしても、人間性に違和感を感じる人と一緒にやっても最高のものはできないと思ってます。
――お客さまとの関わりはどうですか?
K : 同じですね。お客さまの要望をいろいろ聞く中で、もちろんお金がたくさんあるなら思いのままの設計ができるけど、普通は予算があるので、その中で要望を形にしてゆく設計をします。諦めや妥協という形ではなく、お互いにとって気持ちのいい形にしていく方法をいつも考えています。
どんな時も、自分と相手、どちらかに偏らないということを意識しています。設計する時に限らず、新しい住宅を建てる際に近隣の方へ説明に伺う時も同じです。ずっと更地だった場所に急にマンションが建ったりして景色が変わったら嫌だな、という気持ちももちろんわかりますが、だからといって相手に寄り添い過ぎても話は進みません。なので、どんな時も中立でいることを大切にしています。
――設計士さんもそういう時に立ち合うんですね。
熊ちゃんはやっぱり住宅の設計が好きですか?
K : はい。もちろん大きな建築など、機会があれば手掛けてみたいなとは思いますが、やっぱり依頼者の思い入れが最も強い住宅の設計にとてもやりがいを感じます。完成した後に実際に住んで使っているところを見ると、この仕事をやって良かったと、とても感じます。
――代表の神村と同じですね!
では最後に、神村工務店と一緒に仕事をしていて感じていることを改めて教えてください。
K : 一言で言うと、楽しい! ですね(笑)
神村さんと一緒にお客さまのところに打ち合わせに行くと、他の工務店さんとは一味違うスピード感で仕事ができます。話をしながらその場でどんどんスケッチをしてイメージを形にしていくので、神村さんとお客さまと自分と三位一体となって、最高の住宅が完成することがイメージできます。
その場でヒアリングして、では来週イメージパース持ってきますね、だと熱が冷めてしまうかもしれない。熱いうちに渡してあげたいので、それを神村工務店さんとの仕事だと叶えることができます。今ハンバーグが食べたいって言ってる人に、来週ハンバーグを持っていっても、その時食べたいかっていうと違うかもしれないし(笑)
熱い想いの時にその場で渡せれば、満足感と信頼関係は継続すると思います。
――ありがとうございます。これからも改めてよろしくお願いします。そうだ、熊ちゃんは最近結婚しましたね!
おめでとうございます。益々の活躍を応援しています。
【神村工務店代表・じん蔵のMEMO】
今まで多くの設計士さんと関わりましたが、熊ちゃんほど一緒に仕事をしていて気持ちが良い人はいません。
反応が早く、工務店やお客さまや工事の方など、様々な目線に合わせることができるので、説明が分かりやすい。拘りを持ちつつ、常に謙虚でもあります。お金に対する価値観も同じなので、なかなかこんなにシンクロできる設計士さんはいないと思います。
相思相愛で仕事ができる関係性。ま、これは熊ちゃんに限らず、自分が仕事をする相手みんなに想っていることですが。